「田舎で暮らしま専科」編集だより 
 2011年12月号(255号)  
波乱の2011年も師走になりました。2011年は自然災害や人災による破壊の年だったという印象です。2012年は再生の年になるハズなので気合いを入れて頑張ろうと思っています。皆様もどうぞ良いお年をお迎えくださいますよう心よりお祈り申し上げます。
●こんな贅沢な空間が・・
田舎専科253号6番(7205)掲載の下呂市金山町の本格的数寄屋造住宅の内覧へ行ってきました。中へ入ってびっくり!建具からなにから全て特注で、天井や壁、柱は漆に柿渋塗りとのこと。吐き出し窓のサッシも木枠で造った2重サッシの特注品。
  
お風呂の外には信楽焼の壺が備え付けられていて、近くの温泉スタンドから温泉を買ってくれば500円で露天風呂が楽しめるそうです。居間には囲炉裏があり冬の寒さも楽しめます。 部屋からは水の流れる庭園越しに鮎釣りのできる馬瀬川が見渡せます。周囲の集落と適度に距離をおく田舎物件でありながら上下水道完備!ほとんどの調度品を残しての引渡しで即入居可能。長年頑張ってきた自分へのご褒美に如何でしょうか。 
 2011年11月号(254号)  
物件下見のために関市上之保へ向かって県道63号線を走行中、道路沿いの擁壁上にカモシカがキョロキョロしながら立ち止まっているのを発見しました。
                
山間部では猿・猪・鹿・兎等の 野生動物を目にする機会があります。人間の生活空間のすぐ近くで生きているもの達ですが、動物園で日本には本来棲息していないライオンや象を見たことはあっても、日本の山に実際に棲息している動物の野生の姿を見る機会は少ないと思います。「動物は動物園へ見に行くもの」そういった野生動物への距離感が山間部への無関心に繋がっているのかもしれません。近年は害獣として駆除される大型野生動物ですが、彼らが暮らす山の環境を改善してあげることも、ひとつの解決策なのではないかと思います。 
 2011年10月号(253号)  
低速で雨量の多かった台風12号は紀伊半島に甚大な被害をもたらしました。 自然の脅威を改めて思い知らされた災害です。東日本大震災から6ヶ月、まだ復興の勢いをつかめない状況で、次々と発生する災害や国政の変化は、明るいニュースの少ない現在、将来に対しての不安感を募らせます。こんな時だからこそ、状況に飲まれて弱気にならず「生かされている」ことを意識して今を一生懸命生きようと思っています。「どこか安全な場所を」と探しても「絶対安全」はありません。大切なのは過度な不安感を抱かず「納得して生きる」ことなのかもしれません。

●水の町 郡上市中心部、吉田川沿い物件
   
郡上市内の商店街を観光客や地元の方の往来に気をつけながら、ゆっくりと進んだ先に本物件(7216)はあります。 徹夜踊りで有名な郡上市内にあり吉田川沿いの遊歩道や風情ある洗い場がすぐ目の前という好立地。郡上の街並み散策や吉田川での釣りが観光ではなく日常的に楽しめます。定住はもちろん別荘としての利用価値も充分です。めったに物件の出ない立地なので地元不動産屋さんも注目しています。川の近くで物件をお探しの会員様にぜひおススメの物件です。 
 2011年09月号(252号)  
犬山から恵那・中津川市方面に向かうには国道19号線を利用するのが一般的なのですが、私は可児市御嵩町から中山道を通って恵那市に抜ける道をよく使います。山道なのでカーブが多く道幅も狭いのですが、道路沿いに点々と残る古道の趣と中山道の宿場の雰囲気が好きです。瑞浪市大湫町に中山道47番目の宿にあたる大湫宿があります。大湫宿の中心部に位置する神明神社には、幹周り11mもある巨大な杉が生えています。樹齢1300年あまりで岐阜県・瑞浪市の天然記念物に指定されているそうです。 先日、恵那市からの帰宅途中に神明神社の前を通りかかったので久しぶりに巨杉へ挨拶に行きました。 ちょうどそこで中津川市から巨木巡りのドライブをして回っているという男性に会いました。過去にも大湫町周辺へ千年杉を探しに来たそうですが場所がわからなかっそうです。その理由は、人に道を尋ねるときに大湫の読み方がわからず「さんずい」に「秋」という字を書く町という尋ね方をしていたからだそうです。ようやく今回辿り着いたそうですが、相変わらず大湫の読み方はわからなかったそうなので「おおくて」と教えてあげました。かく言う私も読み方がわからず調べた経験があったのでした。そうやって行きかう旅人を、千年もの間この場所で巨杉は見守ってきたのですね。 
 2011年08月号(251号)  
今回4番でご紹介している物件(7041)は、242号1番で掲載した物件なので記憶にある会員様もいらっしゃると思います。本物件は、売主様が東日本大震災で被災された知人の方に避難場所として提供し売り止めになりました。
   
先月、知人の方も無事に帰宅のめどがたち今回再売り出しとなった次第です。 広い土間と梁、昔ながらの建具が魅力的な古民家です。
 
●銃刀法違反!?
先月、新城市内の古い家の売買・引渡しを行ってきました。売主様・買主様を交え引渡しの説明をしていた際に、売主様が引渡し前の家財関係を整理していたところ、下の階の倉庫から「火縄銃」と「大小の刀」が出てきたとの話になりました。銃と刀はかなり錆びてはいたそうですが、銃刀法の問題もあり発見当時は大騒ぎになったそうです。警察を呼んで実況検分等が行われた後、銃と刀は警察が預かっていったそうです。後日、連絡があったのは警察からではなく新城市教育委員会からで、銃と刀を寄贈して欲しいとの申し入れがあったでそうです。今回見つかった「火縄銃」と「大小の刀」は、いつか新城市内の博物館に展示される事になるそうです。新城市は、天正3年5月21日に勃発した長篠の合戦で当時最新兵器であった火縄銃が使用されたことで有名です。今回発見された銃刀が、400年以上前の合戦で使われたかもしれないと考えると感慨深いものがあります。今回発見されたような歴史的遺産はともかくとして、中古不動産も見る人によって様々です。"不便なボロ家"と捉える方もいれば"磨けば光る原石"と考える方もいます。骨董品の価値感に似ています。なので、我々は万人に中古住宅の購入をお薦めする事はしません。その場所・環境に価値を見出し楽しんでくださる方との出会いを、今後も橋渡しできれば幸いです。
 2011年07月号(250号)  
先月5月29日に愛知県交流居住センター主催の『三河の山里 暮らしの参観日』が開催され、弊社会員様も多数参加してくださいました。台風2号の接近によりイベント中止の心配もありましたが、雨の様子をうかがいながら予定通り実施されました。
             
どしゃ降りのため足元が"ちゃぷちゃぷ"の状態のなか、弊社の取扱物件および戸田工務店さんが施工した建物を案内させて頂きました。また、岡島さんをはじめ阿寺地区に移住された方の日々の暮らしに関する生の声を直接聞く時間もあり、田舎暮らしを検討されている参加者の方にとっては良い機会になったと思います。昼食は阿寺地区の方が準備してくださった五平餅と猪汁でした。猪汁は初めて食べましたが思った以上にアッサリしていました。 雨のため予定より早い解散となりましたが、今回のイベントでは私自身も貴重な経験をさせてもらいました。弊社会員様とも直接お話しできた事も嬉しい限りです。今後も、地域の過疎対策も含め、この様なイベントには積極的に参加していきたいと思います。 会員の皆様も、また機会がありましたらぜひ参加して頂ければと思います。  
 2011年06月号(249号)  
 下呂〜高山〜郡上の山間部は愛知県の市街地より季節が1ヶ月程遅れているようで、5月中旬に桜が満開でした。春を2回体験できたようで得した気分になりました。下呂方面41号線を北上するルートは信号も少なく新緑の山々を眺めながら快適にドライブできます。女性にとって心配なお手洗い問題も随所に「道の駅」があり安心です。今月号8番で紹介する売家は、外観からは想像できない予想外の物件で、建物内部は古民家の骨組みや柱・梁・天井・建具を上手に生かしてリフォームし、現代住宅の快適さと広々とした古民家の解放感を兼ね備えた造りになっています。8DKという部屋数、収納の多さは子供の「かくれんぼ」遊びに最適で隠れる場所には困りません。広い宅内を走り回る子供の笑い声が聞こえてくるようです。
         
2階部分は養蚕に利用していた趣をそのまま残した大空間になっています。2階部分の床板の一部を外すと1階部分から風が吹き抜け換気できる造りになっていて、昔の人の生活の知恵に感心します。夏の夕暮れ、東側の縁側に腰を下ろして山並みを眺めながら冷えたビールを飲んだら幸せだろうなぁ〜と思うのでした。
            
小中学校に通える環境なので数世代の大家族で移住するには良い物件ではないでしょうか。現状は空家ですが売主様はすぐ近くにお住まいなので管理状態は良好です。愛情をもって住み継がれてきた家屋で興味深い物件です。
 2011年05月号(248号)  
 4月1日から事務所を新城市から犬山市へ移転しました。会員様サービスやホームページでの営業が主で窓口営業をしていない為、事務所には会社名の看板を掲げていません。それでも会員様や売主様が訪ねてきてくださいます。岐阜県加茂郡白川町の別荘オーナー様も移転早々ご夫婦で訪ねて来てくださいました。加茂郡白川町「クオーレの里」に位置する笹平高原別荘地内にあるDログハウスの売主様です。「クオーレ−CUORE−」とは、イタリア語で「心」。白川町に在住していたオルガン製作家の辻宏氏がイタリア中部の町ピストイアにある教会の古いパイプオルガンを修復したことがきっかけで白川町とピストイアは姉妹都市を結んでいて、白川町ではパイプオルガンの演奏会など文化的イベントが年間を通じて多数開催されているそうです。
        
現在売主様は本誌6番に掲載のDログハウスに定住中で状態も良好。寒い国スウェーデン仕様なので窓は2重サッシ。冬の寒さが厳しい白川町でも室内は快適に過ごせるそうです。これからの新緑の季節は、庭に植えられた山野草の芽ぶきに心が弾みます。笹平高原ではゴールデンウィーク中さまざまなイベントが開催されていますので、ぜひ一度足を運んでみてください
        
 2011年04月号(247号)  
 3月11日に発生した国内観測史上最大の「東北地方太平洋沖地震」について、被害の甚大さに悲痛な思いでいます。東海地域は震源から遠く離れていますが、被災地にご家族、親戚、友人知人のいらっしゃる方はさぞ不安な日々を過ごされていることと思います。被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。一人でも多くの方の命が救われますよう、併せて被災された方々が1日も早くもとの生活を取り戻せますよう、心よりお祈りしています。犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご家族やご親族、関係の皆さまに衷心よりお悔やみを申し上げます。今、私にできることは冷静に日々の仕事をしっかりこなすこと、少しでも多くの物資が被災地へ届くように多少の不便を我慢することだと思っています。義援金を語る詐欺もあるとのことですので寄付をご検討中の方は、信用できる団体かどうか充分に注意してください。
 
●弊社見本誌のあるお店
道の駅「志野・織部」に隣接する織部ヒルズ内(土岐美濃焼卸商業団地)にある陶器類のお店「遊陶ピア」さん。数年前に偶然立ち寄り、シンプルな素焼きの陶額を衝動買いしたのが縁でイベント毎に足を運んでいます。遊陶ピアさんは一味違う物創りをモットーに百貨店及び小売店向け商品と営業用食器を中心に全国各地へ販売しているそうです。商品は主に手作り及び手作り感覚の土物が多くその品数の豊富さは見ていて飽きることがありません。遊陶ピアさんのホームページでも商品の閲覧やネットショッピングが楽しめますのでご利用ください。5月3日〜5日は恒例の土岐美濃焼祭り、秋には織部ヒルズオータムフェアと様々なイベントがあります。土岐、恵那、中津川方面への下見の際にはぜひお立ち寄りください。
       
 
陶・漆・布・硯・箸の店   遊陶ピア(一久)  http://www.ichikyu19.co.jp/
〒509-5171岐阜県土岐市泉北山町3丁目11番地  TEL.0572-55-7138 FAX.0572-55-1837
 
 2011年03月号(246号)  
●2月上旬に、瑞浪市・恵那市・中津川市方面に3月号用物件の下見へ行きました。瑞浪市の物件から恵那市の物件へ車で移動中、可愛らしい道路の横断者がいて車を止めました。 それは『コジュケイ』です。丸見えなのだから急いで横断すればよいのに、数羽が列になって、隠れているつもりなのか「そろ〜り、そろ〜り」と道路を横断していました。私の車を意識するでもなくマイペースでコミカルな横断者に、思わず気持ちがほぐれました。
            
●今回表紙でご紹介した新城市愛郷の古屋付き物件は、踏み固められた未舗装道沿いにあります。周囲は山林で、まるで昭和初期にタイムスリップしたかのようです。建物も築年数不詳の古屋で、現代風の造作がされておらず農家住宅の趣をそのまま残しています。
            
黒光りする梁や建具もしっかりしていて、手をかけて修繕すると素敵な古民家になりそうです。 交通・生活面では不便な立地ですが、だからこそ得られる特別な空間がここにはあるような気がします。
 
 2011年02月号(245号)  
●今年の初仕事は、本誌5番で紹介している八百津町の売家の下見です。五宝滝に向かう途中の道上にあり、周辺民家とは少し距離をおく山間に建つ一軒家です。敷地前面道路の向こうは渓流釣りのできる小川で、山歩きと釣り好きの方には魅力的な環境です。敷地側面にも沢水の流れがあり、夏の水遊び場には困りません。ただ、これだけ周囲に水があるということは、建物に湿気がこもるということです。山間部の建物は空家期間が長くなるほど湿気による痛みがすすみます。今回ご紹介した物件も例外ではありません。周辺民家と適度な距離を置き、かと言って町から離れすぎることもなく、山間だけれど、敷地が高く南向きに開けているので冬でも日当たりが良いというのは稀ですが、建物の傷みや冬場の道路の凍結が心配・・。あれやこれやの思いを秤にかけつつ、物件の近くにある五宝滝を散歩して、今年も田舎専科物件下見の旅を楽しんでいます。

■犬山市エコアップリーダーの会  「ふれあいの森」間伐作業
          
奥三河カントリーの事務所は新城市にありますが、私の自宅は犬山市内にあります。一昨年、犬山市が企画する「エコアップリーダー養成講座」に参加し昨年修了証書を頂きました。今後の活動として八曽国有林36haの間伐・除伐・遊歩道作り等の林内整備作業を実施している「ふれあいの森」グループに参加しましたが、昨年は奥三河カントリーの事業継承業務優先でグループ活動に全く参加できませんでした。今年こそはと思い1月の定例活動に参加し、間伐作業に勤しんできました。 私はまだチェーンソー講習を受けていないのでノコギリでの作業でした。今年はチェーンソー講習を受けて作業効率アップをめざします。私は今年40歳になりますがグループ最年少者です。同世代や若い人が増えて、一緒に山林管理の技術を受け継いでいけたら嬉しいです。奥三河カントリーとしては、人間と自然との共存・循環の考えを大事にしたいと思っています。いわゆる『里山』です。そのためにも、このような活動にはできるだけ関わっていきたいと考えています。
 
 2011年01月号(244号)  
●新年明けましておめでとうございます。
昨年は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼を申し上げます。本年も変わらぬご愛顧のほどお願い申し上げます。今年は卯年です。最近は干支を意識するのは年末年始の数日間くらいなのですが、下見などで田舎道を歩いていると、時々「庚申」と書かれた石碑を見かけることがあり不思議に思っていました。これは「庚申塔」と言うんだそうです。中国の言い伝えによれば、人間の体の中には三尸(さんし)の虫がいて、いつもその人の悪事を監視しているのだそうです。三尸の虫は庚申の日の夜、人々が寝ている間に天に登って天帝に日頃の行いを報告し、罪状によっては寿命が縮められるとされるので、人々は三尸の虫が天に登れないようにする為、この日には徹夜しなければならないとされたそうです。日本では、「庚申さま」として庚申の日そのものが神格化され庚申の日の夜に村人が集まって神々を祀り、その後、寝ずに酒盛りなどをして夜を明かすことを庚申講といい、庚申講を3年18回続けた記念に建立されたのが庚申塔なんだそうです。自分自身を戒めるための心の神様なんですね。日本の田舎には生活に根差した神様が奉られています。田んぼの神様、道祖神、水神様、竈の神様、便所の神様など・・。大きな神社へ遠出しての初詣も賑やかで楽しいものですが、自宅近くの小さな氏神様へお参りし、静かに過ごすのも良いですね。
 

239号編集だより→